ワンオペの問題点となくすための対策

世の中からワンオペ育児をなくしたい。

何かを成し遂げようとする時、目標達成のための最短距離を探すより、まずは目標達成をジャマするものを取り除くことから考えるべきだ。だからワンオペ育児をなくすとき、足かせになりそうなことを徹底的に排除しようと思う。これについては後ほど。

まずはワンオペ育児の定義について整理しよう。

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ワンオペ育児とは

「ワンオペ」とはワンオペレーションの略で、作業をすべて一人でこなすという意味。ワンオペ育児とは、子育てと家事(+仕事の時もある)の全てを1人でこなさなければならない状況のことを意味する。

(育児と言いながらも家事や仕事の意味も合わせ持つため、分かりづらいので以下ワンオペと表記する。)

明確にすべきは“2人でやらないことではなくあくまで“1人でやることが問題なのだということ、を前提にしたい。

そうでないとシングル親家庭がそもそも除かれてしまうからだ。

主にママである女性が負担することが多いワンオペだが、例外的に男性が負担するケースもあるため、ここではあえて性別の話にはふれない。

ワンオペはなぜ問題なのか

ワンオペがなくならない理由は何か、という話の前にワンオペのどこが問題なのかを明確にしたい。

ワンオペ育児は他人や未経験者には理解されないことが最もつらい点だろう。

やらない者にとっては育児=「取るに足りないこと」だと思っている場合も多く、そもそも育児をしていないので大変さや内容を理解していないこともしばしば。

少しの協力が得られれば心身の負担は相当軽くなるが、ワンオペの場合はそれがない。

逆に心理的に理解されてさえいれば、問題なくワンオペが機能している場合もかなり多い。

その場合、イレギュラー事態が発生した時には共闘となり、実質完全なワンオペではなくなる。

ここでは理解されていないワンオペを前提に話をする。

ここで言う「共闘」とはワンオペの逆(夫婦や親族、第三者との協力によったオペレーション)を意味する。

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共闘をジャマするものとは

前述したとおり、共闘をジャマする要因をあげていきたい。この21世紀に、男女平等を謳うこの時代に、そもそもなぜワンオペがなくならないのか。

これについては私自身、無知だったのでTwitter上で情報を募った。

https://twitter.com/yamadyblog123/status/1346946562610454529?s=21

それらを含めて以下にまとめた。

未経験者の理解不足

やはり未経験者の理解不足が大きいだろう。

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経験者からの圧力

外的要因はワンオペ未経験者からばかりではない。経験者からの圧力もあるのがワンオペのこわいところだ。

日本のこれまでの歴史的に、長期間に渡って家事育児は女性のやること、という慣習ができてしまい、それを経験してきた先輩達からすると、「やって当たり前」という結論になってしまい、一蹴されてしまうのだ。

これまでとこれからは間違いなく別モノで、時代背景、常識、環境や生活スタイルが変化しているため、以前の経験者は現在の環境下では未経験なので、その発言の説得力は皆無だ。

それでもワンオペ当事者にはつらいものがある。そしてワンオペをなくすジャマになる。しかもセクハラだ。最悪だ。

育児サービスの少なさ・わかりづらさ

「日本は育児サービスが少ない」と考えている人は多い。

実際のところは分からないが、利用者が少ないこと、案内がわかりづらいこと、などから実質的に利用できるサービスは少ないと考えられる。

政府や地方自治体のホームページを見てみると、たしかに使えそうな育児支援サービスはあるものの、利用へのハードルが高く、忙しいワンオペの合間に見れるほど分かりやすくもない。

デザイン面での改良が必要と考える。

社会が個人的なものに変化した

まさしく環境要因といえる部分。平成元年に個人情報保護のガイドラインができてから、日本は諸外国のマネをし、プライバシーを重視してきた。

我々の価値観にもすでに当たり前となっているプライバシーだが、育児面では大きくマイナスに働いたと考えられる。

たしかにわが子を守ろうとする時、プライバシーは重要だが、相互に顔見知りの少ない個人的な社会では、子どもに「安全でない場所」や「あやしい人」を見分ける力は育まれるはずもない。

普段から地域の人を知っていてこその「あやしい人」なのだ。

昔ながらの価値観

家長(父)が家庭を統治していたころ、家長は金を稼ぎ、母は家事育児をする、という分業が当たり前だった。それが実際理にかなっていたし、かなり効率的だった。

今でもこうした分業を好む人は男女問わず多いが、これは現在の環境下では少し無理がある。

まず父が家庭をまるまる養えるほどの稼ぎがない。将来稼いでいく保証もない。だから「保険をかける」「収入を補填する」という意味で母も働く場合が多い。

そうなるとどうだろう。分業だったときは仕事の部分が父の役割だったがそれだけでは足りなくなる。分業自体が機能しなくなるのだ。

男性が妊娠できない&産後のオペレーションを引きずってしまう

この2つは本来別なことだが、似た話だと思うのでまとめる。

まず男性が妊娠できないこと、この問題はたしかにある。

しかし海外の例をみてみることで分かるが、世界で男性が妊娠できたケースはまずもってない。しかしそうした国の多くがワンオペなのかといえばそうではない。妊娠できないこととワンオペの直接の関連はない。

しかし間接的には間違いなくある。日本では産後の母は赤ちゃんに付きっきりになる。産休育休というものはあるがおよそ休めない。父は働きに出てしまうからワンオペになる。

これはこれまで話した「意識」や「理解不足」以外にほかの問題があると思う。

休みづらい環境

日本企業で働いてる人の多くは休みを取りづらいと思っている。

上司や同僚に嫌な顔をされたり、キャリアハラスメントを受けるなんて話も日常茶飯事だ。

だから結果的に「意識」や「理解」があったとしてもワンオペなんてものが成立してしまう。

家事育児のこだわり

個人的に意外とこの問題があるのではないかと思っている。

一人暮らしが長かったりすると家事に自分のやり方が出てきたり、育児に関する価値観が夫婦で元々異なっていたりする。

それによって「もうやらなくていいから触らないで」というようなことを言ってしまい、結果としてワンオペになる。

キッチンに入ってほしくないから家事代行を頼めない、という人もこのタイプに入る。

ワンオペ育児をなくすには

ここまで共闘をジャマするものを挙げてきたが、なんとも気が重くなる。

なにか解決策はないのか。ひとつひとつ見ていこう。

パートナーに理解してもらう

けっこうこの声は多かった。理解してもらうことから。

まずはきちんと言葉にすることが重要。これだけの業務がある、これにはこれだけの時間がかかる、そのため1人だと終わらない(もしくは難しい)ので協力してほしい。

その時に使えるツールがはあちゅうさんの作ったメモ。すごい細かさで書いてある。

伝えただけでは大変さはわからない。あとはやはり家事育児に触れてもらう。(変な話だが)体験してもらう。

だんだんと任せていく。といった形で進めていく必要がある。

個の社会を集落の社会へ

前述のようにプライバシーを守ることを考えすぎるとどんどん苦しくなる。

昔のように自分の子をみるついでによその家の子もみる、という風にできればそもそもの問題は解決する。

これはすごくハードルが高いようだが実はすでにやってる人も多い。子どもが大きくなるとママ友と一緒に外出し、どちらともなく子どもをみながら自分たちもおしゃべりしたりする。

この輪をただ大きくするだけでいい。あとはちょっとしたトラブルがあった時、大きな問題にせずいい意味でテキトーにスルーできるかどうか。

今は昔とは違い、子どもの数も少なく文字通り子は宝だから大事にされすぎている節がある。親の意識が変わるだけでかなり楽になることもあるのだ。

そもそも1人でやらなくていい

先ほど言ったように親が付きっきりでみていること、がそのまま愛の具現化と考えると一向に前に進まない。

そもそも子育てを他人に頼れるのがワンオペを解消するのに最も早い。自分の親には預けられるのにベビーシッターに預けられない親がいるのはなぜだろう。

もちろん信頼関係の問題もあるが、それ以上に第三者の目だったり、後ろめたさを感じる親も多いのだろう。

これは現在の価値観の問題だが、案外価値観はカンタンに変えられる。有名人や人気者がこぞって「ベビーシッターに預けました!」と声高に言えればそれで変わってしまうようなものなのだ。

ワンオペでもまわる環境を整備する

ワンオペは問題だがそもそもワンオペで回らないこと自体も問題だ。

子どもの個性は置いといて、住宅環境や役所の手続き、買い物や交通機関での移動のしやすさといった地域サービスが子育て世帯にやさしくないので必要以上に苦しい思いをすることがある。

子ども1人ぐらいは何の問題もなくワンオペでいける、そういう社会ではなくてはならない。

育児は女、家事は男とする

カラダのメカニズム的に乳幼児期においては育児は母のほうがやりやすいことが多い。

家にいるからと家事を母にやらせてしまうとワンオペが成り立ってしまうのでいっそ家事を父がやる、というのは対策としてはアリだ。

でも実際は仕事から帰ってきた父が昼間の家事をすべてやるのはかなりハードルが高い。(洗濯乾燥機や食洗機を導入すれば別だが)

また家事は代わりがきくが育児は代わりがきかないことも問題だ。

父も子どもとは接したいし、分担だからと家事だけやっている訳にもいかない。どこかで妥協点を見つけるしかない。

育児サービスを利用しやすくする

今度は価値観ではなく物理的な角度から見てみる。

育児サービスの選択肢がそもそも見えていない親もいる。

これには前述したが育児サービスのサイトビジュアルの改良が必要だ。

利用者が少ないお金が集まらない使いやすくならない

という悪循環がある。

やはり価値観から変える必要がある。

休みやすい社会づくり

これも先ほど言ったが、日本企業では産休育休自体が取りづらい。

しかも休みを取ると直接関係のない人まで文句を言ったりする。

ここでも「妊婦の親世代」「上司や同僚」「株主」もはやステークホルダー全体に価値観をアップデートしてもらうしかない。

これには少し時間がかかりそうだ。まずは父の育休取得を拡大していくのが遠からぬ近道だと思う。

お互いに共闘が当たり前になればいい

夫婦もそうだし同僚や友人、親戚や社会までもが「共闘」を良いものとして考え、それが当たり前になればいい。

みんなが共通認識として持つことで、課題にあった「家事育児へのこだわり」や差別的な見方が無くなると思う。

また、変えていく勇気も必要なのだろう。

自分が我慢すればいい。もう子どもも大きくなったから。そういう人が日本には多い気がしていて、本気でワンオペをなくすつもりがない。

まだまだ社会としては未熟なワンオペ国家だが、伸びしろを信じて個々が前を向くしかない。

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